石田まさひろ政策研究会

 

平成27年度の医療費の動向

平成27年度の医療費の動向が発表されました。
総額は41.5兆円。昨年度より大幅に増えた印象があります。

この統計は、診療報酬の請求のデータをもとに出しています。ですから労災とか全額自費の費用等は含まれません。しかし日本の医療のほとんどは診療報酬の請求が行われていますので、この結果で国民医療費の98%ほどに相当しているといわれています。

さて、数年前からこの医療費の動向をみてみましょう。

平成23年度の37.8兆円から5年間で41.5兆円まで増えました。しかしその増え方は均等ではありません。休日数によって生じる差を補正したうえで、毎年の伸び率をみると、

平成23年度 2.8%
平成24年度 2.0%
平成25年度 2.2%
平成26年度 1.9%

とここまでは2%前後で伸びてきました。

ところが

平成27年度 3.6%
伸び率が一気に増えています。

この原因は、高齢化とか医療の高度化といった例年と同じ原因に加え、調剤費が大幅に伸びたことにあるようです。この調剤費の伸びは9.4%。金額ベースで6800億円の伸びです。このうちの半分弱にあたる2954億円が「高額なC型肝炎治療薬」とみられています。

ソバルディやハーボニーのようなC型肝炎の抗ウイルス薬は、経口薬のため使用しやすく、著効率が95%程度と圧倒的に良く、さらに副作用も少ないという驚きの特徴があります。平成27年度後半から使用が増え、いまはかなり価格は下がりましたが、当時は非常に単価の高い薬でした。そのため、医療費全体に影響を与える結果になりました。

薬や医療機器の進歩が、医療費の上昇に大きく影響を与える時代になってきました。
診療報酬の算定ルールを大きく変えなければならないと、私は今考えています。

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