少し前になりますが、11月8日にカザフスタン共和国のナザルバエフ大統領が、公式実務訪問賓客として来日され、参議院の議場で国会演説しました。私も議院運営委員会の理事としてこの準備にかかわりました。
カザフスタンは、地理的にはユーラシア大陸の中心に位置し、日本の7倍の面積がある、世界最大の内陸国です。首都のアスタナは、日本の建築家の黒川紀章案をもとに都市開発が行われています。
ナザルバエフ大統領は、カザフスタン共和国が旧ソ連から独立した1991年から一貫して大統領の地位にあります。日本では考えられませんが、このように長期にわたり地位をもつ首脳は世界に何人かいます。
演説で「カザフスタンと日本は、大量殺戮兵器の破壊的な力を身をもって体験しました」と大統領は語りました。
旧ソビエト時代に、核実験場が国内にあり、456回の原爆・水爆実験が行われ、150万人が住む30万平方キロメートル以上の土地が汚染されたそうです。カザフスタンはその核実験場は閉鎖し、核兵器・ミサイルの軍事力を放棄しました。この核に関する演説が全体の3分の1以上をしめました。
中央アジアにおいては、カザフスタンは日本の最大の貿易パートナーです。戦略的にパートナーシップをさらに引き上げることは重要かと思います。大統領は演説の最後に新渡戸稲造の「私は、太平洋の架け橋となりたい」という言葉を引用しました。来年の外交樹立25周年を機に関係が深まっていくと思います。