石田まさひろ政策研究会

 

C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造薬発見を受けて

年明け、C型肝炎の治療薬である「ハーボニー配合錠」の偽造薬が発見されました。

この騒動の顛末をたどる前に、まず「ハーボニー配合錠がどんな薬なのか?」ということです。ハーボニーは、C型慢性肝炎やC型代償性肝硬変の治療薬として2015年5月に承認、同年9月から販売開始されました。

それまでの、C型肝炎の治療と言えば、主にインターフェロンでした。しかし、インターフェロンの治療は、副作用が強く出現することも多く、中には奏功しない場合もありました。
一報、ハーボニーはわずか12週間の内服でHCVが陰性化するのです。しかも治療効果が極めて良好で、まさにHCVの画期的な治療薬なのです。ただ、ハーボニーの薬価は非常に高額で、12週間の治療で一人当たり460万円以上の費用がかかります。

本題に戻り、そのハーボニー配合錠の偽造品が、調剤薬局の商品から発見されました。
偽造品についての詳細は、すでに厚生労働省から情報が発信されています。

C型肝炎治療薬「ハーボニー®配合錠」の偽造品についてのサムネイル

また、この騒動の後、精査が行われ、あわせて9件の偽造品が見つかりました。

偽造品が早期発見できたことで、被害は少なく、幸いなことに患者さんへの有害事象の報告も今のところありません。
偽造品が出回ったルートなどの詳細は現在捜査中で究明には至っていません。

一連の事件を受けて、2月16日に厚生労働省が管理の強化を行いました。
以下がその主な内容です。

【医療品を譲り受ける際の正確性の確保】
・身分証明書を提示し、本人確認をする
・販売業の許可番号などを確認する

【管理薬剤師による医薬品の管理の徹底】
・薬剤師が医薬品の容器包装の状態を確認する
・医薬品の管理状況などに疑念を抱いた場合は、譲渡人に仕入れの経緯を確認する

【薬局の薬剤師による医療品の管理の徹底】
・調剤や容器包装の際に医薬品に異常がないことを確認する
・医薬品が通常と異なる場合は調剤をやめ、適切な対応をする

患者さんの手に偽造品が渡ることがないように、医療者全体で注意喚起を行っていかねばなりません。そして、医療者が正しい知識を持ち、いろいろな情報に混乱し不安を抱く患者さんへの事後支援も併せて行う必要があります。

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