石田まさひろ政策研究会

鉄魚

宮城県加美町にある魚取沼だけに生息する金魚がいます。金魚は人工種なので基本的に天然に生息しませんし、特定の沼にだけ群れでいるというのも珍しい。そんな金魚が「鉄魚」です。

 

1933年、魚取沼一帯が鉄魚生息地として国の天然記念物に指定され、「鳴瀬川ノ支流柳瀞川ノ水源ヲナセル小池ニシテ鐵魚ノ産ヲ以テ知ラル鐵魚ハ鮒ヨリ由來セルモノト看做サレ其鰭並ニ鼻孔褶著シク伸長ス運動迅速ニシテ游行ノ状壯觀ヲ極ム」と表現されています。

当然、採取は禁止されていますが、昔から養殖している人たちがおり、それが細々と流通されています。我が家も数匹の鉄魚を手に入れ繁殖させています。今年もたくさん卵を産みました。

尾びれ、胸びれ、背びれ、とにかく長く優雅でお見事。色は基本的には茶色で地味ですが、たまにオレンジ、青、銀といった色をもつ鉄魚が生まれるようです。

 

鉄魚の由来は長い論争がありました。発見当初から、フナと金魚との交雑種ではないか考えるむきがありましたが、昭和末期の研究(アイソザイム解析)によってフナの変異種であり、金魚との交雑種ではないとされました。ところがつい最近、ミトコンドリアDNAの解析した結果、やはり魚取沼のテツギョには金魚の遺伝子が混入していることが確認され、再びフナと金魚の交雑種であるとされました。

我が家では血統を保つ群と、朱文金というフナに近い型で様々な模様を持つ金魚と掛け合わせる群の2系統を飼育しています。交雑すると何割かは模様をもった鉄魚スタイルの魚が生まれます。これもまた美しい。

 

金魚の奥深さと面白さを感じることができる「鉄魚」です。

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