石田まさひろ政策研究会

人工知能からの示唆

所属している勉強会が国立情報研究所の新井先生を講師に招き、人工知能に関するお話をききました。

AI(人工知能)の最近の話題といえば囲碁でもトッププロ棋士に勝ったことでしょう。囲碁はチェスや将棋と違い空間を争うゲームなためにコンピューターでも難しく、AIの勝利は相当先になるといわれていましたが、予想よりずいぶん早い勝利となり、技術の進歩の速さに驚きです。

そのAIですが、東大合格をめざす「東ロボくん」プロジェクトの話が今回のメイン。非常に興味深いものでした。

東ロボくんの現状は、センター試験で上位2割に入るあたり。計算や暗記は抜群ですが、言語理解はかなり難しい段階です。では将来、言語理解が深まるかというと、これは否定的。実はAIは文章の”意味を理解しない”で検索キーワードなどから答えをつくるだけなのです。人間とAIの決定的な違いは、この「意味の理解」にあるといえるでしょう。

このことから、新井先生は今人間が行っている仕事のうち2030年に機械に置き換わるものは、銀行の与信、弁護士の事務、税理士や会計士、薬剤師、管理栄養士、検査医や診断医などを予測しています。一方、代替されないのは保育士・介護士、シェフ、クレーム対応、美容師、外科医、災害救助など。つまり残る職業は、一期一会(一例ずつ意味を考えなければならない)の問題解決を求められるものです。

ところが、意味の理解が大切な問題であっても、AIのほうが良い点数を出す場合があります。これを分析すると、どうやら「子どもたちの意味理解能力がかなり低い」ことがわかってきました。日本語の読解とか表現の能力が下がっているんですね・・・新井先生の提案は、一部の中高生はAI並みにしか文書を読むことができないので、(小学校で英語やプログラムを教えるより)まず中学校の教育目標を「中学校教科書をきちんと読めること」に設定すべきではないかということです。

これから残る仕事には高い言語能力が必要とされるので、言葉の意味を理解できない人は、仕事に就いても、いずれAIに置き換えられてしまうというわけです。

示唆に富んでいると思います。今の社会における教育とはどうあるべきか、根本的なことを議論しなければと思いました。

Return Top