石田まさひろ政策研究会

時間外労働への罰則制度導入へ

安倍内閣の大きな柱である「働き方改革」で、時間外労働の議論が大詰めになってきました。

労働基準法は、原則が「1日8時間、週40時間」を超えて労働させることを禁止しています。ただし、労働組合と労使協定(いわゆる36協定)を締結した場合には、その協定で定めた時間まで、時間外労働をさせることが可能になっています。
この36協定で定める時間外労働の限度は「月45時間かつ年360時間以内」です(厚生労働大臣の告示で強制力はない)。

しかし、実際には臨時あるいは特別な事情などを定めれば事実上「上限ない時間外労働」が可能になっています。
つまり、形式的にはいろいろ定められていても、現実的な実効性に乏しいのが時間外労働のルールであるということです。

そこで、罰則付きの時間外労働の限度を法律に具体的に明記しようというのが今回の動きです。
3月13日、日本経済団体連合会と日本労働組合総連合会は、時間外労働の上限規制等について労使合意しました。

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時間外労働の上限規制は、月45時間、年360時間とする。

ただし、一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限については、
① 年間の時間外労働は月平均60時間(年720時間)以内とする
② 休日労働を含んで、2ヵ月ないし6ヵ月平均は80時間(*)以内とする
③ 休日労働を含んで、単月は100時間を基準値とする
④ 月45時間を超える時間外労働は年半分を超えないこととする

以上を労働基準法に明記する。
これらの上限規制は、罰則付きで実効性を担保する。

さらに、現行省令で定める36協定の必須記載事項として、月45時間を超えて時間外労働した者に対する健康・福祉確保措置内容を追加するとともに、特別条項付36協定を締結する際の様式等を定める指針に時間外労働の削減に向けた労使の自主的な努力規定を盛り込む。

(*)2ヵ月ないし6ヵ月平均80時間以内とは、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月のいずれにおいても月平均80時間を超えないことを意味する。
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これに対し、先日、安倍総理は③の部分で「100時間を基準値」ではなく「100時間未満」と明確にするよう提案しました。

一番のポイントは、罰則付きの法律になるということ。
これまでの大きな課題は、ルールがあっても実効性に乏しかったことですから、大きな変化になるでしょう。

なお、あわせて、勤務間インターバル制度の導入や、過労死等を防止するための対策なども盛り込まれる予定です。

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