石田まさひろ政策研究会

【2021介護報酬改定を考える04】テクノロジーと人員基準

今回の改定で人員基準の緩和が目立つ。特養での夜勤職員配置加算、グループホームや老健等での夜勤職員配置加算、ケアマネジメントの上限件数、職員体制を要件とする加算(日常生活継続支援加算・サービス提供体制強化加算等)での人員基準の緩和等である。

 

介護職員の不足が極めて厳しい。コロナの時代で有効求人倍率は下がっているが、それでも介護分野では4倍近くある。2010年代初頭で介護職員の有効求人倍率は全体の2倍程度だったが、最近は3~5倍程度もある。外国人の介護職員も増えているが、焼け石に水というのが現状だ。

 

しかし、人員基準の緩和は介護の質の低下や職員の労働強化につながるため、不足しているからと言って見直しはできない。そこで考え出されたのは、テクノロジーの導入が人手不足の解消につながるという視点だ。

 

厚生労働省によると、ケアマネジャーがICT機器をしっかり使っていると効率があがり、多くの人を担当できるという。施設で見守りセンターを全床に導入したり、スタッフがインカムをして働くと効率が上がるという。こういう要件を整えた場合、少ない人員であっても介護の質や職員の労働負担が担保されたとみなしてよいというのだ。

 

介護職員確保や処遇の厳しさをみると否定しきれないし、ICT導入で職場が活性化したという報告も多い。一方、人と人とのつながりを重要視する現場にとっては納得感をなかなか得られない内容であろう。人員の最低配置基準まで緩和してまでICTを導入を進めていくべきなのか、今後の現場の変化を十分フォローしていく。

 

2021介護報酬改定を考える05

介護職員等特定処遇改善加算の見直し

 

介護職員不足に対し鳴り物入りで導入されている介護職員処遇改善加算。この見直しを今回改定でも行う。

今は、普通の介護職員を1とすると、経験・技能のある介護職員はその2倍以上、そのほかの職種の職員は半分以下という配分のルールがある。しかし、最近の実態では経験・技能の有無で2倍以上の差をつけるのが適切かという状況になっているため、この2倍を緩和する。

 

介護職員だけの見直しで、看護、リハビリ、調理、事務等ほかの職員は見直さないのかという声があるが、2倍のルールの緩和によって一般の介護職員の処遇が上がるため、その他職員も上げることもできる。全体の見直しになるはずだ。

 

また、ほとんどの事業所でもはや算定されていない、処遇改善加算の低いレベルのⅣ、Ⅴは1年後に廃止となる。

 

このところ処遇が改善されてきたとの指摘もあるが、それでも水準はまだまだ低い。処遇のさらなる改善は不可欠であり、そのための工夫を法人・事業所内でも制度面でも続けなければならない。

 

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