石田まさひろ政策研究会

 

令和2年診療報酬改定に関して(14)

2019年7月10日の中医協総会では、「地域づくり・まちづくりにおける医療の在り方について」がテーマになりました。

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000527381.pdf

「医療資源の少ない地域における診療報酬上の対応」が論点になりました。重要です。

今でも、こういった地域に配慮し要件緩和などを行っていますから、それを進めるような議論になると思います。しかしこれでは、人口が少ないところに住んでいる人は質の低い医療で我慢してくれという意味にもなってしまいます。

本来、突き詰めて考えれば、人口減少が進む未来の日本の姿を考え、それに対応するため、従来の枠組みから離れた議論をし、思い切った対応をしなければならないと思っています。

資料に、医療資源の少ない地域の医療機関へのヒアリング調査結果が示されています。

人員確保の困難さ、研修の受けにくさが目立ちます。一方で、遠隔診療やe-ラーニングへの期待もあります。ここは伸ばすべきでしょう。

ヒアリング調査結果

<診療提供体制等の状況>

○ 人員配置
・ 専従要件が緩和されても、職員の絶対数が不足する。
・ 医師や看護師等について、常勤の職員が不足している。
・ 社会福祉士が不足している.
○ 研修
・ 研修の機会の確保が難しい。
・ オンライン講義を教育に活用している。
・ e-ラーニングによる研修がありがたい。
○ ICT
・ 遠隔診療の導入を予定している。
・ ICTを用いた画像情報の連携を実施している。
○ その他
・ 医師事務作業補助者が非常に有用である。

<医療資源の少ない地域に係る診療報酬項目について>

○ 入退院支援加算
・ 看護師や社会福祉士以外の配置でも算定できれば有用だと思う。
○ 栄養サポートチーム加算
・ 常勤要件があることにより、届出が難しい。
・ 公立であり、管理栄養士の異動があるため、経験を有する管理栄養士が異動してこないと届出ができない。
・ オンラインでの研修がないと、研修要件が満たせない。
○ 褥瘡ハイリスク患者ケア加算
・ 職員の異動があるため、経験を有する人員の確保が難しい。
○ 緩和ケア診療加算
・ がん専門病院又は一般病院での精神医療に従事した経験を有する者の確保が難しい。
・ がん診療の拠点となる病院等の要件を満たすことが困難である。
・ 常勤要件を満たすのが難しい。
○ 外来緩和ケア管理料
・ 身体症状の緩和を担当する医師と精神症状の緩和を担当する医師を1名ずつ配置することが困難。
・ 看護師の研修要件を満たすことが困難である。
○ 糖尿病透析予防指導管理料
・ 糖尿病及び糖尿病性腎症の予防指導に従事した経験や研修を満たすことが難しい。

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